肝臓(肝機能)について
定期検査で肝機能をチェック
健康診断で、肝機能異常や、脂肪肝と言われたことはありませんか?
今回は、知っておきたい主な肝機能検査について紹介します。
肝臓の働きとは?
肝臓の働きは大きく以下の3つに分けられます。
1. 食べ物から吸収された栄養素を加工したり、貯蔵したりしています。
2.
アンモニアなどの有害物質や、アルコール、薬剤などを分解し、毒性の少ない状態に変えて、排出しています。
3.
胆汁を生成して脂肪の消化や吸収を助けたりします。
肝臓はこういった仕事を黙々とこなしている頑張りやさんです。
また、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、よほど具合が悪くならない限りはっきりした自覚症状が現れないのが特徴です。
よって、定期的に健康診断を受けて肝臓の機能をチェックすることが大切です。
肝機能検査の種類
肝機能の検査には、尿検査・血液検査・腹部超音波検査などがあります。
○尿検査
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肝臓が悪くなると、尿の色が番茶のように濃くなるので、尿の色を調べたり、尿中のウロビリノーゲンやビリルビンの量を調べることで肝臓の機能をチェックします
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○血液検査
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血液中のGOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP、血清総たんぱく、アルカリフォスファターゼ、総ビリルビン等の量を調べることで肝臓が正常に働いているかどうかをチェックします。
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○腹部超音波検査
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肝臓の大きさや形、腫瘍の有無などを直接画像をみて調べます。この検査は痛みなどの体の負担がまったく無く、10分前後で終わる簡単な検査です。
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尿や血液の検査で肝臓の異常がわかる理由
肝臓の細胞では、200種類以上の酵素が働いています。ウイルス感染やアルコールなどで肝臓の細胞がこわれると、これらの酵素が血液中にもれ出して、血液や尿の成分に変化がおこります。そこで、血液や尿の成分や量を調べることで、肝臓が正常に働いているかどうかを調べる事が出来るのです。
GOT(AST)、GPT(ALT)の数値でわかることは?
GOT、GPTは血液検査の中で最も重要な検査です。血液中のGOT、GPTと呼ばれる酵素の量を測定して肝臓の状態をチェックします。
肝臓に異常がある時は両方の値が高くなります。慢性肝炎や脂肪肝の場合には、GPTが、肝硬変ではGOTがより高くなる傾向があります。GOT、GPTともに基準値は35〜40単位以下となっています。この数値を超える場合は注意が必要です。
<GOT、GPTは国際的な名称としてそれぞれAST、ALTとも呼ばれます。>
アルコールの飲みすぎで高くなるγ-GTP
γ-GTPはアルコールの飲みすぎなどで肝臓の細胞が障害されたり、胆石などで胆汁の流れが悪くなると数値が上昇します。
γ‐GTPの基準値は男性で50単位以下、女性で30単位以下です。アルコールをたくさん飲む方で「γ-GTPの値が高い」といわれたら、まずは、“休肝日”をつくるなど節酒を心掛けましょう。
<検査施設によって検査法が異なるため、基準値も多少異なる場合があります。>
肝臓をいたわる食生活をしましょう
働き者の肝臓のために、まず十分な休養と栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
そして肝臓に余分な負担をかけないことが大切です。
<食事は腹八分目にしましょう>
食べ過ぎは肝臓に負担がかかり、脂肪肝の原因ともなります。
<食後は少し休憩を取りましょう>
食後は肝臓が最も忙しい時間です。全身を休めることで、肝臓の仕事を楽にします。
<十分な睡眠を取りましょう>
横になる深い眠りは、働きつづける肝臓に、十分な休息を与えます。
<アルコールやタバコは、控えめにしましょう>
アルコールの処理や、ニコチン、タールの分解は肝臓に余分な負担をかけます。
<バランスの良い食事をとりましょう>
肝臓が喜ぶ栄養素は、ビタミンと肉や魚、大豆製品などの低エネルギーで良質のたんぱく質です。
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